札幌市「子どもの権利推進計画」(素案)について

子ども未来局「札幌市子どもの権利に関する推進計画」
         計画素案の公表、素案に対する意見の募集について


現在 子ども未来局で「札幌市子どもの権利に関する推進計画」の計画素案の公表、素案に対する意見の募集素案についてパブリックコメントを求めています。
そこで、フリースクール等で子どもを育てる親の会事務局では「素案」を全面的に検討しようと、「北海道フリースクール等ネットワーク」と協力し、小委員会を作り、特に不登校フリースクール等に関して、この素案がどういう記述をしているかを議論検討しました。

次にまとめたのは、この趣旨に関するもので、あくまでも小委員会での議論のまとめです。

1.「素案」26ページの記述について。
○「子どもが安心して過ごすことができる学校・施設づくり」の記述について、次のような修正が必要ではないか。
(前略)〜いじめの起こらない、子どもが過ごしやすい学校・学級づくりを進めます。不登校については、従来の学校復帰策だけにとどまらず、生涯教育や福祉の観点から、広く「社会的自立」を目指しての支援を行います。そのために、フリースクールなどの民間施設との情報交換や、業務委託・助成も含めた連携をより一層充実します。(後略)

2.「素案」26ページにある「主な取組」について
○ 「主な取組」に関連して、次のように修正する。
フリースクールなど民間施設との連携 − フリースクールなどの民間施設との情報交換を進め、民間施設も参画した不登校対策協議会設立や、相談指導学級などの業務委託、運営助成も含めた連携を図ります。

○ この修正意見の理由について次のように考えます。
文部科学省は「生徒指導提要」の中で不登校について、心の問題のみとしてとらえるのではなく、社会的自立に向けて自らの進路を主体的に形成する、生き方の支援をすべきとしています。これは「子どもの権利条例」の趣旨にかなうものであり、推進計画にもこの観点を盛り込むことが重要と考えます。
 そのためには学校教育とは別に、生涯学習や福祉の視点から不登校を捉えなおすことが必要です。フリースクールなどの民間施設は以前からそういった活動をしており、重要な社会資源となっています。
 すでにいくつかの自治体では運営助成や公的施設の業務委託を行っており、札幌市でも実績ある民間施設を活用することで、「社会的自立に向けた生き方の支援」を効果的に行うことが可能になると考えます。

3.「素案」45ページ
○「子どもが安心して過ごすことができる学校・施設づくり」の「フリースクールなど民間施設との連携」について、次のように修正する。
フリースクールなど民間施設との連携
フリースクールなどの民間施設との情報交換を進め、民間施設の不登校対策協議会への参画や、相談指導学級などの業務委託、運営助成も含めた連携を図ります。
○「不登校児への支援」について次のように補強する。
1)不登校児童生徒のためのメンタルフレンド事業の開始
2)相談指導学級・適応指導教室の増設
3)フリースクールなど民間施設で学ぶ子どもへの財政的支援
※1)、2)ともにフリースクールなど民間施設への業務委託を含む
○この理由について。26ページの理由と基本は同じである。
不登校児への支援については、1600名を超す不登校児童生徒に対し、対象12名のメンタルフレンド事業だけでは全く足りません。大幅に見直しが必要です。
 そもそも現在、児童相談所で行われているメンタルフレンドは児童相談所の「措置」であって、不登校児童生徒の支援を目的としたものではありません。一方で、家庭に引きこもりがちな子どもへの訪問支援の需要は高い。そのため、児童相談所とは別に、不登校児童生徒のためのメンタルフレンド事業を創設する必要があります。
 札幌市内には4つの相談指導学級がありますが、1600名を超える不登校児童生徒に対しあまりに少ない。また利用する子どもにとって長距離を通わねばならない問題もあります。せめて各区にひとつずつあることが望ましいと考えます。また、相談指導学級は学校内にあるため、心理的に通いづらい子どもが少なくありません。学外に設置する適応指導教室の導入も検討が必要です。
 札幌市にはすでに訪問支援や、通所型の支援を行っているフリースクールなどの民間施設がいくつかあります。メンタルフレンドや相談指導学級をそのような施設に業務委託することで、官民協働で効率的に対応することができます。
 フリースクールなど民間施設を利用したくても経済的な問題であきらめざるを得ない子どもたちがいます。p.87、「フリースクールなど民間施設に通う子どもの意見」中にも、「本当は毎日通いたいが、母親から授業料が高いので毎日は無理と言われている。市で負担してもらいたい」という意見があります。子どもの学び育つ権利を保障し、「社会的自立に向けた生き方の支援」としての不登校対策を進めるため、フリースクールなど民間施設で学ぶ子どもへの財政的支援は不可欠です。


皆さん この改訂内容でよければ、個人でどんどん送ってください。
これ以外にも各個人での意見があると思います。素案を読んで率直な意見を送ってください。

素案はこちらです↓
http://www.city.sapporo.jp/kodomo/kenri/suishin.html#soan

意見の送り方はこちらです↓
https://www1.city.sapporo.jp/kodomo/kenri/suishin_soaniken.html


期間は1月26日が締め切りです。
ぜひ、たくさんの人たちの意見が「子ども未来局」に届き、札幌市が未来を担う子どもたちのために良いことを、どんどん進めることになるように支援できたらと思います。