「石狩かめの会」主催の講演会を聞いてきました

先日、石狩かめの会主催の講演会
「人とつながるって面白い〜冬月荘の取り組みから」
がありました。


講師の日置真世さんは釧路で
障がい児の親の会活動から地域生活支援を行うNPO法人を立ち上げ
児童デイ、子育てカフェ、就労支援、グループホーム
多岐にわたる事業を展開し「コミュニティーハウス冬月荘」を生み出しました。

これだけ聞くと
「いったいどうやって?さぞかしやり手」
と思うのですが、その中身はいたってシンプル。

1.困っている人がいる
2.それを話し、分かち合える場所がある
3.どんなことならできるのか考える
4.たくさんの人の力を借りながら「これならできる」をやってみる

そうやってだんだんと広がっていったようなのです。

「いろんな状況でそれぞれ困っているけれど
誰もがこの釧路のまちで、幸せに暮らしやすく暮らせたらいい」
「今まで困っていることがあっても
どうせ無理とあきらめてしまうことを身につけてしまった。
困っている人が困っていると言えることが大事で、
言ったら何かが動くんだと皆がわかることが大事。
誰もが暮らしやすいまちづくりの生みの親になりうるのだ」
と話していました。


聞いていて思ったのは
まんなかに「人」がいる、ということ。
たった一人でもそこにニーズがあるならば、それを大切にするということ。
そして
「できないはありえない。困っている事実はあるんだからニーズは待たせない。その人が何を必要としているのか、やるためにはどうしたらいいのか考えたら必殺ワザが生まれてくる」と話していました。


そうしてできた冬月荘は
住居スペースがある居住支援の場、親子ランチができる親子の居場所、中高生の学びの居場所、お年寄りが集う場所、とあらゆる年代の人が集う場所になっています。
そこは対象者を限定せず(必要な人なら誰でも使える)ようになっており、
また、支援者と支援を受ける人という一方的な関係ではなく
「支援をうける人も誰かの助けとなって活躍できる場」となっています。


その冬月荘の中の「ずっとスクラム」(生活保護世帯の中学生の無料学習支援の場。不登校ぎみだったり勉強がわからなかったり、いろいろな子がいる)を利用する子どもたちの映像が紹介されました。

お年寄りに勉強を教えてもらっていたり、
親子サークルの小さい子と遊んでいたり、
誰かを助け、誰かに助けられ、和気あいあいとしていました。
みんなおだやかないい表情をしていて
人とのつながりの心地よさが体にしみついている感じがしました。

「ここに来て明るくなった」
「ここは落ち着く。居心地がいい」
「大人が苦手じゃなくなった」
「ここに来なかったらきっと引きこもりになってた」
等、口々に語る中高生や
「自分はもうダメだと思っていたけれど、今は生きてるって感じがする」
「社会と離れると疎外感を感じるが、こうして自分を受け入れてくれる所がありがたく、心地いい」
と語るお年寄り。


人とつながることでそれぞれの良さが引き出されるのだなあということを感じさせてくれました。
そして、誰もが自分の居場所を求めていて、人に求められる自分になりたいと思っている、ということがわかりました。
まさにこの講演会のテーマの
「人とつながるって面白い」ですね。

もっと詳しく知りたい方は
「日置真世のおいしい地域づくりのためのレシピ50」筒井書房
をご覧ください。
目からウロコの、なるほど〜がつまっていますよ。

                  byちびまるこ